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機関車運転の前に

朝、8時頃に駅に向かう。

駅舎とミュージアム別館の間にある屋外休憩所の向うに黄色の車掌車と鉄枠が回されベンチが据えられた長物車が見える。
車掌車としては比較的新しい全鋼製の車体。
普通はウオルト・ディズニーの長編漫画映画「ダンボ」で日本でもお馴染みになったキューポラと言われる屋根上に
車体幅より狭い監視用の張出部分が付いているものか、車体の両側に張り出しがあり、監視用の窓が前後に取り付けられた2種類だが、
これはキューポラが車体幅より広い両方型、余り見た事のないタイプ。

その前方に濃い緑色の二重屋根客車が2両。 これが今日の観光列車と判る。 その手前には旧式のトラックが線路に尻を向けて停めてある。

売店の内部は変わっていた。 以前の方が出札の窓が見え、同じ側にあったカウンターと合わせ、いかにも駅と言う感がしたのだが。
右側に移動したカウンターの後に座っている白髪の女性に挨拶をすると
「待ってたわ。大変だったようね。もう名札もあるし」 という事で、答案用紙を渡す。
優しさからすると前回と同じ女性かもしれない。”大変だったようね”というのは、前日、車がスピンして分離帯で前後に360度、
横転360度を同時にした事を指している。
指にほんの1mm程度のかすり傷で済んだが、車は大破、代わりの車を出してもらって、前夜10時頃に辿り着いたのだ。

採点の最中に店内を見回したが、商品は前回と大分違う。 そもそも運転室乗務員用の帽子が違うのだ。
前回のはアメリカの国旗が印刷されたサイズ・タグが付いていた(即ち Maid in USA)。 今回のは中国製、形が悪い。
ニュー・ヨークの2店で中国製の帽子を見、NNR の売店だったら、と買い控えていたのだが。
今回も購入し、運転室内で羽織ろうと思っていたジーンのジャケットも置いていない。
仕方なく帽子と化繊混紡の前ジッパー、フード付きジャケットを買い込んだ。

採点も終わり、聞いてみるとかなり良い成績との事。
一夜漬けのうろ覚えで書き込んで、どうしても判らないのはプリント・アウトを読んで書き込んだのだが。
簡単な質問、とタカをくくると、一捻りしてある問題だったりして結構考え込んでしまった問題集。
「時間があるから、出発の最低30分前には、ここに戻って来てね」で、
「ホテルのチェック・アウトをして来る」と言い残し、一度ホテルに戻った。
荷物をまとめて駅に戻ると丁度、機関車を最後尾にして列車がバックで入ってきた。
機関士側の窓に少々太り気味の顎鬚を生やした楽しそうなお兄さんが後ろ向きに座っている。
ボイラーが通過し始めると煙突の前に設置されたタービン発電機のキユーンという甲高い音が耳にささる。
日本では助士側運転室屋根前のボイラー上だ。
1909年製のNo.93。容姿は典型的なアメリカ型。

「 93」 の歴史は終わりの部分に書き込む事にしたが、ここで比較的製造年度が近く、同じ車輪配置の9600形式と比較してみる。

93  製造年 1909年
機関車重量(空) 約 71.7t (158,000 lb.)  (運転整備) 約 85t (187,000 lb.)
動輪上重量 約 76t (168000 lb. )  動輪径 約 130cm ( 51”)
シリンダー 約 53.5X約76cm ( 21X30”)  蒸気圧 約 13.5kg/cm2    スティーヴン式弁装置
石炭 12t、水 28.4t (7500 Gal.)     粘着引張力 19018kg (41890 lb.)

9600 形  製造初年度 1913年
機関車重量(空) 54.83t  (運転整備) 60.35t 
動輪上重量 52.73t    動輪径 125cm 
シリンダー直径 50.8X61cm    使用圧 13kg/cm2  ワルシャート式弁装置 
石炭 6t 水 13t     粘着引張力 13183kg

蒸気圧は、ほぼ同じだが、動輪一軸上重量が 9600では約13t だが、 93 では約 19t で、引張力は比較にならない。 

砂漠地帯の為か、炭水車の水容量が9600の倍以上、長距離優等列車用のC59並。

石炭容量も昔はアメリカ中、東部が良質炭の出炭地だったせいか、9600の倍、D51並(12t)。

1-D タイプ (アメリカでは2−8−0、コンソリデーション)で、火床は9600と同じく動輪の上にかぶさっている広火室
(93以前の古い機関車では火室が動輪内側、主台枠間に設置されており、これが本来の狭火室。

1912年製の9600の前身、9550 はまだ狭火室、狭軌の為、日本では開発が遅れた)

ブレーキ用空気圧縮器は(単式)コンプレッサー2基が正面煙室扉の両側に装備された典型的なアメリカン・ルック
(日本では歩み板の高さで、機関士側車体中央よりやや後。煙室前に設置すると、狭軌では重心が上がるし、煙室内の掃除も大変。
助士側に設置された給水ポンプで左右の重量バランスをある程度取っている)。ドームは蒸気と砂のドームが分かれている 2こぶ形。

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