デンヴァー〜グランド・ジャンクション   6月26日  

アムトラック 「カリフォルニア・ゼフィー」で


        デンヴァー駅を出てすぐにある巨大なサイロ群.。


左2枚:デンヴァーを出て暫く走ると突然グイグイと登り始めた。 中央遠くにデンヴァーの高層ビル群が見える。 送電線の向こうの窪みを登ってきた。 道路の向こう側が線路。
この辺りから連続カーヴが始まる。 西に向かっていた線路は北西向きに少し走ると90度以上の角度で南に向かう。

                                                                      3枚目:多分、南向きに走っている区間です。

                                                                     右:線路は東向きになり、ホース・シュー・(馬蹄形)カーヴを経てL字型に走り、北西に向きを変える。

                                  2枚目の写真から始まり、知多半島の外周を東側の根元からなぞる形に近いと言った方が分かり易いと思います。

   
                                                  左:今、走ってきた線路。Lの右下端にあたる。 坂といい、急曲線といい、蒸気機関車時代の貨物列車には大変な難所。
   ホース・シュー・カーヴはこの先にもあるが、この様に見られるのはここだけではないか?

                                         2枚目:上の写真のすぐ右側にあたる。 3枚目:遠くに見えるのは貯水池。
                                                   右から2枚目:遠くに見える貯水池の位置関係から、どの程度登って来たかが判ると思います。右の写真は貯水ダム。

           
                                     左:もうすぐ分水嶺。                               中央: 川の流れは西向きとなる。                  山の間を降りて行くと突然、雪を冠った山が見えた。

コロラド・ロッキーの山々。国立公園になっており、3000m 級の山が 100 以上ある。 州の北部から中部迄続く山脈はコンティネンタル・ディヴァイドと呼ばれており、
線路は全長 10km のモファット・ トンネル等を掘って山脈を抜けている。 トンネル内の頂点は海抜約 2600m。 トンネルが開通したのは1928年。 

それ迄は大陸横断鉄道建設の競争によって敷設された全米最高地を走る旧線を使用していた。幹線としては最急の40パーミルの勾配と併せ、
スイッチ・バック、ループ、ホース・シュー・カーヴ、材木で組み上げた木橋(西部劇で見かける橋です)等、保守も含め大変な区間だったようです。

機関車もマレー式の重連。 積雪が多く、スノー・シェッドを次々と建設しても、吹き溜まりの出来た シェッド内で停車中、窒息死者迄出る始末。
大雪崩で多数の死者が出る事故もありました。


     
やがて盆地の様な場所になる。1,2枚目の山々(南側)もコロラド・ロッキーの続き。

           2枚目:フレイザー/ウインター・パーク駅の駐車場.。 東側のウインター・パークと北西のフレイザーとの統合駅。 スキー場もあり、夏は避暑、冬はスキー。
                旅行客の降車も少々あった。   デンヴァーから約 100km。約2時間かかっている。


             川の流れも緩やか。土手等は無く、自然そのまま。  春先の雪解け水が流れ出す頃は、どうなるんでしょうね。 川幅が拡がって湿地帯が出来るのでしょうか。


     
                    左2枚: 川幅は広くなったり、狭くなったり。台地の様な所を流れています。

                    その右:単線なので貨物列車が待避線に入って待っています。待避線といってもアメリカの長い貨物列車の事、待避線の長さが2kmでも珍しくない。
                                   これは石炭専用列車で、機関車は前に2両、リモート・コントロールされた2両が中間に入り、総合馬力は約18000馬力程。
                                   ホッパー・カー積車1両で100トン程ですから、多分8000〜1万トンを牽引している事になります

                     右端:こちらも機関車2両ですが、牽引力よりも安全性の為、と言った方が良いようです。 1両牽引で故障したらアウト。
                                 単線ですから乗客はおろか、対向列車、後続列車がストップし、ダイヤが完全に乱れてしまう。
                                  アメリカでは乗務員の勤務時間が厳密に決められており、時間超過すると、その場で列車を止めて降りる事が出来ます。
                                  山の中で故障して時間切れになったら交代の乗務員を送り込む事もままなりません。列車はその間停止したまま。
                                  アムトラックは旅客鉄道会社、列車を走らせるだけ。 線路を保有する鉄道会社の方針によっては、旅客列車がかなり遅れたりします。
                                  長い貨物列車を停めるのも動かすのも大変ですし,燃料の無駄も大きくなります。 
                                   一応、アムトラック側から定時運転に近ければ報奨金、遅れが酷ければ罰金を取ると言う事になってはいます。


                 2枚目:ボート遊び。 この辺りは所々川幅が狭くなっていますが、全体的にはユッタリと。 訓練するには良い場所でしょうか。
                 3枚目:後方を見るとこんな感じです。写真の下で河は右に曲がっています。  トンネルの出口が微かに見えます。
              4枚目:この先にもトンネルが見えます。

   
                 左: ここでも貨物列車との交換。前に3,4両の機関車をつけているようです。
                 右から2番目:  サマー・キャンプでしょうか。 ラバー・ラフトでの川下りですね。子供の場合は救命胴衣必着です。



              左、その右:この川には急流が何ヶ所かあります。 最初からの数枚、何処かで見たような・・・
                      マリリン・モンロー、ロバート・ミッチャム主演の「帰らざる河」での筏で川下りをした河ではないかと・・・・・ 所で、写真の河はコロラド・リヴァーです。
                      太古の時代から水に侵食され、深くなっていったのでしょう


   右:ユニオン・パシフィック鉄道の保守用事業車です。



侵食がどの様に進捗してきたかが判ります。


上から順に侵食され、堅い部分が残り、柔らかい部分や水位が長く変わらなかった箇所は食い込まれています。
その後、風化が始まり、崩れ落ちた土砂が坂を作り、台形の上に長方形がのった様な独特の断面形状になります。


昔の川の流れに沿って出っ張りや引っ込みがあり、面白い形にもなっています。

ジョン・フォード監督の西部劇によく出てくるモニュメント・ヴァリーも、この様にして出来たようです。 赤く見える部分は鉄分が多い箇所です。


     


断層が降起した状態が良く見えます。

    
中央:上下のカリフォルニア・ゼフィーの交換。 駅ではなく、退避線上。 こちらが停止で待機。サーッと駆け抜けていった。

右:インター・ステーツ ルート70(高速道路70号)。 勿論、無料。 この辺りは、両岸共山が迫っており、片側1車線づつの道路をこの様な形で拡幅していた。
こんな所を運転するのは大変だなあ、と見ていたら、後程、自分が運転する羽目に・・・


   
                 暫く走ると、流れもゆったりとしてきて、平地の部分がが増えてきます。

   
2番目:崖が迫り、行き先を失った河が急に曲がらされ、湖の様になった箇所。 これを過ぎれば又、平地が拡がりグランド・ジャンクションはもう直ぐです。


  
グランド・ジャンクション駅構内に進入。

グランド・ジャンクションは人口約6万人の市。名前は鉄道の合流地点からと思っていたが、
あに計らんや、支流のガニソン川がコロラド河に合流する場所と云う事でつけられたそうだ。

蒸気機関車から初期のディーゼル機関車使用時期迄は鉄道の要衝だった。
元デンヴァー・アンド・リオ・グランデ・ウエスターン鉄道のアメリカ大陸西部横断の南北2線(乗って来た線と大回りの南線)の西の合流地点。
現在はユニオン・パシフィック鉄道の一部。


中央:石炭搬用のホッパー車。 積載量は100トンと思います。ナンバーが読めないので正確なところは判りませんが。

右:GE製 C44AC  最初のCは1台車につき動輪3軸、ACは日本では一般的になっているACモーターの意味。ACモーターは低速での粘りが効くという事で
石炭専用列車等の超重量列車を牽引する為に開発されたと言える。部品数がDCモーター使用より少なく、保守の面でも節約できる。
コストが高いのでアメリカではまだ少数。  サウザーン・パシフィック鉄道所属だったが、SPがユニオン・パシフィック鉄道に吸収合併され、
旧い塗装のままで運用されている。 正面のUPロゴ・マークと運転室横窓下の黄色に赤の表示でUPの所有と判る。

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