白紙


6月30日

この日はアパッチ族のメスカレロ部族に招待されていた

アラモゴードの街を北に少々、それから東、山に向かって行く。

 
頂上のアンテナは別として、何となく人工的な感じがする山。 宗教的な意味があると思いますが。



16歳の少女が大人の仲間入りする(スイート・シクスティーンと同意義)儀式だった。
場所は親しいものにしか知らされず、儀式は1週間続く。その間に訪れた人(通りががりでも)には御馳走しなければならない。

焚き火の回りで歌いながら踊る儀式が毎晩行われる。


何をしているのか見に行くと、粉を捏ねていた。    膨らし粉が入っていないパン作り。 蜂蜜が入っている、と自慢していた。


           揚げている。 何故焼かないのだろう。 油脂を摂取する為でしょうか。


 右2枚:典型的なティーピーと思われる。 右側が入り口。 個人の家と同じだから覗く事はしなかった。


   
少女が夜を過ごすティーピー。 周囲の木は目隠しの為か切られていない。
3番目:1週間、燃やし続けられる焚き火。

少女は1週間の間、火を絶やさないティーピーで終夜歌い続ける。満月の中日には3人の女性がティーピーに集まり、夜を通して歌う。
   ティーピーの中の少女だけは絶対に撮影しないでくれ、と言われた。



フラッシュは使えず、焚き火と月明かりだけで撮影は大変に厳しかった。


一つの部族からは撮るな、と未だ明るさが残っている頃に言われた。 彼等にとって厳粛な儀式、見世物ではない。
見ている間、厳かさ、がヒシヒシと感じられた。 リズムは日本人には何か懐かしいものがあった。

写真はもうすこし撮っているのだが、彼等の確認を撮らない限り、公開は出来ない。
先日(2016年1月)、NHKのアーカイヴから、とアイヌの番組をやっていた。 大変な記録が残っていた、と思った。
日本では同化政策をとり、彼等にとって大事な儀式、生活様式迄奪ってしまい、観光化したものでしか見れなくなってしまっている。
地域の活性化とかで、何でもかんでも観光化する日本の現状と比べ、考えさせられる事が多かった。
本当は、しつこい位に撮影をして、記録を残したかったのだが、それは私の仕事ではないと思うし、元々は商業写真家の私では、それなりの権威もないし、資格もないと思う。
何時迄も伝承して頂く事が私の願い、それは彼等の態度を見れば続く事でしょう。

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