313_ニューヨーク_ニューヨーク










 3枚全て 2010年5月


























 ケンシコ・ダム





































































































































































     ウオーター・タンク

マンハッタンのビルの屋上から見渡すと、目に付くのが水のタンク。もっとも最近の新しいビルでは上部のメカニカル・フロアーの内部にあったり、屋上に目隠しをしているので見えません。しかし 4, 5 階以上のビルには必要な装備なので、必ずビルの上部の何処かに設置されています。
私が以前に住んでいたロフトは、12 階建てのビルの4階。一階につき一軒で、半分はオフイスすから、水を使用している人はそんなにない筈なのに、時間帯によっては水圧が下がり、暗室作業に支障をきたす事がありました。
管理人の話では、4階位までは道路下にある水道管からの水圧で水は上がるが、それ以上はポンプで押し上げなければならないとの事。
それならば一挙に屋上のタンクに汲み上げ貯めておけば良いのです。これなら需要の多い時でも、そんなに水圧は変わりません。ですからズラーッと並んだ昔の古いアパートは 4 ,5 階建て。住居の方は商業用のビルより天井が低いので、5 階でも良い訳です。
殆どのタンクはタガが嵌まっている木製で、オケをそのまま大きくしたものと想像して下さい。
もっとも、どの位のスケールかというと、小さなもので、ビルの一階分の高さはあり、通常は一階半から二階分。大変大きなオケになります。
屋根は円錐形、上に空気抜き用の筒が付いているので、小さ目のジョウゴを逆さにして管を短く切ったような形になっています。
このタンクが、これ又一階分位の高さがある鉄の枠に乗っています。そして外側にはお決まりの鉄製ハシゴ。
アメリカに来た頃は、何で金属製にしないのだろうかと不思議でしたが、暫くして判りました。
修理や交換する時に、これだけの大きな物をクレーンで十何階も持ち上げるというのは大都会では不可能に近いのです。バラバラにして空間の多い屋上で組んだ方が、手間がかかりません。
材料が安いという事も理由の一つでしょう。トラックから材木を降ろしているのを見た事がありますが、大変に厚い板、水圧が強いので当然でしょうが、さすがはアメリカと変なところで感心してしまいました。
材料は多分、桧。ペンキは塗ってありません。 

(2016年 NHKの或る番組を観ていますと、屋上のタンクでマンハッタンと判る、と報道していました。 エ、と声に出してしまいましたが。ヒマラヤ杉を使っているとの事。)

鉄の台枠の一辺に、外側に向かって鉄材が斜めに入っているのもあります。これはタンクを交換する時に、スベリ台式に降ろしたり、上げたりする為に付いているようです。
冬には内部にスチームのパイプでも通してあるのか、隙間から湯気が出てツララがぶら下がっているのも見かけます。氷点下10度以下に時々なりますから、夜間凍りつかないようにしているのでしょう。

車で郊外を走っていると、マッシュルーム、と言うよりはポリープ状の大きな構造物を見かけます。色は大体水色で、上部しか見えない時は円盤型の UFO の感。これも水タンクで、その町の水道水をまかなっています。タンク部には、持ち主の町や、工場の名前が大きく書かれ、遠くからの道標になっています。大きいものは直径 4, 50m もあるでしょうか。柱の高さも、その位あります。
美しい曲線で構成されており、のどかな風景の中、何処かの球形のガス・タンクと比べても、そんなに場違いな感じはしません。この形状のタンクは古い映画等には出てきませんので、1950年代の産物でしょう。 (2016年 日本でも見かけますね)

         



  ニュー・ヨークの水道

 日本の水は世界でも美味しい、とよく言われます。一番美味しいという人もよくいますね。しかし、雨水は雨水、地質が似ていて雨量があれば、水の味は同じようなもの。ニュー・ヨークの水道水も大変美味しい。条件からすると世界一とは言わないでも、有数の水といえます。ともかく世界の大都市の中で、水道水の殆どを濾過していないのはニュー・ヨーク市位のものでしょう。
ニュー・ヨーク市の水源は 200km 程北方のキャッツキル山系から始まります。水源地の広さは全部を含めると 5000平方km、8 つの郡にまたがっており、この中に 19 の貯水池と 3 つの調整池があります。容量は 20億トン。
地形を利用し何ヶ所もの貯水池を経ながら水はニュー・ヨーク市にやってきます。水源からニュー・ヨーク市迄到達するのに何年もかかると言われていますが、はっきりした数字は憶えていません。記憶では 7年位だったと思いますが。
(勿論雨は何処にでも降る訳ですから、途中の貯水池でも増水する、等と言わないで下さい)この期間に不純物は沈殿していき、市のポンプ場に着く頃にはきれいになっているのです。ですから貯水池の管理は厳重。

ウェストチェスター郡、私の住んでいる辺りにも貯水池が幾つかあります。一番近くて大きいのはヴァルハラのケンシコ貯水池。車で15分位の所で、同名のダムがあります。
このダム、ブロンクス・リヴァー・パークウエイをニュー・ヨーク市から北に走っていると突然こんな所に、という場所に見えてきます。前が芝生の広場になっており、スケールが判らないのですが、そばに行くと、その大きさに驚かされます。
大きな石を積み上げて作ったダムで、40m 程の高さでしょうか。これは二番目のダムで1915年に完成。最初のダムは1886年に完成され、水没した村の名前を取って命名されたそうです。
ダムの上は道路になっていて見晴台がついており、芝生側を見るとなだらかに空き地が続いて行くのが分かります。地下に水道のトンネルがあるのでしょうか。ここから一日約 375万トンの水が流れ出ているそうです。

どこの貯水池でも周辺でのピクニックは禁止。ボートの使用、釣りにも許可証が必要で、ボートは手漕ぎのみが許可されていますが、ボートも釣り人も一度も見た事はありません。
計画時からの契約で、権利、管理は全てニュー・ヨーク市のもの。町村は指一本触れる事もできません。ですから時々、市と貯水池のある町村とで問題が起きます。
まだこの付近の人口が少ない頃は問題無かったのですが、住宅地がジワジワと増加するにつれ、固定資産税が入る訳でなく、リクリエーションもできない、眺めているだけですから、水が足りなくなるとヤイのヤイのが始まります。
現在はかなりの町村が、この水系から水を供給されていますが、広大な土地、既得権とはいえ、おもしろくないでしょうね。
参考迄に書きますと一日 500万トンの水を 9600km に及ぶ水道本管を通し、市の 800万人の住人とウエストチェスター、ウルスター、オレンジ郡の 100万人に供給しているとの事。
現在でも大規模な給水システムの追加中で、最近完成された地下鉄規模のトンネルの他にも、ウエストチェスター郡からブルックリン区内に地下 200m、直径 6m の大規模なトンネルを掘っています。
これでも雪や雨が少ない年は水が足りなくなる時があり、洗車や芝生等に対し、節水が呼びかけられます。自分の庭の芝生が大事だと、夜こっそり散水している家庭もありますが、隣近所と比べれば芝生の色ですぐ判ります。最悪の年は罰金という事もありました。
勿論、ニュー・ヨーク市の夏の名物になっている消火栓からの放水も禁止となります。暑い夏で、節水も余りひどくない時は、消火栓の口に小穴が沢山開いた蓋を付け、放水する事は許されます。映画や写真等で見るシーンですね。




  ブラウン・ストーン
 茶色っぽい色の石を積み上げて作られているのでブラウン・ストーン。厳密には何処そこから切り出した石で建てられたビル、それ故に東部でしかそう呼ばないと言う人もいます。日本でも大谷石造りといえば、本来は宇都宮近郊の大谷の石で造られたもの、というのと同じ事でしょうか。
元々は一家族用に造られた 3, 4 階建てのビルですが、隣同士隙間無くつながっていて、場所によっては何処迄が一軒なのか判らないのもあります。今では改造されてアパートになっているのが多いようです。
正面にある 10段程の階段(ストウープと呼びます)を歩道から上ると、入り口のドア。殆どが二重扉になっており、外側のドアには通常鍵はかかっていません。内側とのドアの空間に郵便受けとブザーの押しボタンが並んでいます。
「ティファニーで朝食を」をご覧になっている方にはお馴染みでしょう。もっとも最近はインターコムが取り付けられていたり、それも外のドアの手前に付けているビルが増えて来ました。
夜帰宅する女性をつけ、内側のドアの鍵を開ける瞬間を狙って襲ったりする犯罪が結構あるからです。
入口は通りより高く、扉のガラス窓と一階の窓には必ずと言っていい程、鉄格子が入っていたります。これも防犯の為。
正面の階段の左右は殆どが上下の鉄柵。その階段とは別に、歩道とビルの間の2〜3mの空間に、降りる階段があります。そこにも部屋があり、少し掘り下げられて半地下になっている場合もあります。窓には勿論鉄格子。裏に回ると庭に面しているアパートだったりして。これぞ本当のグラウンド・フロワー。
普通は暖房、給湯用ボイラーもこの階の一部に設置されており、一寸した機械室になっています。
一階の内側ドアを通ると、本来は正面右側が二階への階段、その横が一階のホール・ウエイですが、それはビル全体が一家族で使われていた時の事。アパートや間貸しの場合は、しっかりとしたドアになっています。エレベーターは、まずありません。階段は片持ち式で、壁の反対側の手摺は最上階まで続いています。
「ティファニー」では、日本人の写真家ユニヨシさんが、最上階から一階のホールにいる2人に怒鳴っていましたね。
昔の建物ですから天井も高く、壁もシート・ロックのノッペラではなく、漆喰でハード・ウッドのモールディングがあちこちに付いています。もっとも木目を出すのは面倒なので、ペイント一色で塗りつぶしてあるのが殆ど。
内装次第では大変に落ち着いたものになります。
リビング・ルームには暖炉が付いている所が多いのですが、使えるのは少ないようです。
木を燃やすと、クレオソートが出て、毎年掃除しないと引火する恐れがあるからです。屋上の煙突も塞がれているのが殆ど。暖炉の口が塞がれていない所では、電気ストーブとか、薪の形をまねたヒーターを入れて、気分だけでも出しているようです。
今のニューヨークはサンタも来ずらいようですね。
各階には二軒づつのアパートというのが殆ど。通りに面したものと裏庭に面したものです。裏ですと、反対側のビルの裏庭と突き合わせになりますので、かなりの空間となります。


ニュー・ヨーク州のいろいろな地名

この近所、アメリカン・インディアンからきた地名がかなりあります。プーキープシー(航空機内のスクリーン地図にはポキプシーと出ますが、絶対にそうは聞こえてこない)、オネオンタ、カフーンジイー、ロンコンコマ、ポンクオーグ、アシャローケン、オウェゴ、トナワンダ等舌を噛みそうな名前です。
Kill (殺し)と終わりに付いた名がかなりあります。キャッツキル、フィシュキル、ピークスキル、アーサーキル等です。
kill は元々は古いオランダ語の Kil でクリーク、小川を指します。ニュー ヨーク州は元々オランダからの影響が大きくマンハッタンも昔はニュー・アムステルダム。オランダ語からきた地名や、オランダ人が先祖だという人が、田舎結構見うけられます。アルバニーのそばにはアムステルダム、ロッテルダム、アントワープという町もあります。
berg が終わりにくるのも多いですね。これは英語からきたものと、オランダ語のbergh からきたものと両方あります。ピッツバーグ等は英語だと思いますが、この近辺のグリーンバーグ、ニューバーグはオランダ語の「山」からきていると思います。

息子の大学に行く途中はおもしろい地名がつづきます。ラマポ・インディアンから取ったラマポ、タキシード(Taxedo Park)を過ぎ17号線に入ると、レバノンの標識。その内にフロリダへの標識が現れます。勿論州ではありません。夏競馬で有名なモンティセロを過ぎるとスーペリオール湖、キアメシャ湖、スワン・レークへの分岐の標示。リバティー(自由)の町を通り抜けるとロスコー。ここから寄り道をするとワルトンを通ってシドニーに行く事が出来ます。シドニーから東に行けば、ウナディラ、オネオンタ。その北は野球の殿堂で有名なクーパース・タウンとなります。
又、ロスコーに戻るとこの先からデラウエア川と付いたり離れたり、川がペンシルヴェニア州との境界となっています。Deposit と言う名の町を過ぎると目的地のビンガムトンです。デポジットというのは頭金の意味があり、No Deposit, No Return と瓶や缶に印刷してあれば、空き瓶、空缶を店に持ち帰っても、最初にお金を取っていないから、瓶、缶代は戻りませんよ、という事です。昔、酒屋さんにビールの空き瓶を持って行って 5円だか 10円だか貰った記憶がありますが、あれと一緒。アメリカでも公の場でのゴミ問題を解決する一つの手段として、大部前から幾つかの州で行われています。返却すれば 5 セント返却なのですが、ニュー・ジャージー州はやっておらず、運転中に買ったソーダの缶を持ち帰っても、お金にはなりません。全州でやらなければ意味がないのですが。
この言葉にはもう一つの意味があり、ヒッピー時代の一つの標語となっていました。意訳すれば「いれなきゃ、お釣は返って来ないヨ」ですが、どのように解釈するかは読む方の自由!

帰りはルート 81号でペンシルヴァニア州からにしましょう。入って直ぐにススクェハンナ・リヴァー。グレート・ベンド(大曲)の町があります。ラッカワンナ郡に入ると、政治力で国立史跡にされたスティーム・タウン公園のあるスクラントン市。観光期には、近郊のMoscow(モスクワ)迄、蒸気機関車の牽引による列車が一往復走っています。ルート 84 に乗り換え、ニュー ヨーク州の手前迄来ると、Matamoras という町の標識が見えてきます。息子に確認させましたら矢張り読んだ通りの「また、漏らす」でした。

ニュー ヨーク州の地名として変わっているのは、ナンダ(Nunda)、ダンディー、サプライズ、ジョイ、ラッシュ、クライマックス、ベスト(Best)、トランキリティ、フリーダム、ムーディ、インデペンデンス、アコード、キングダム、プロマイズド・ランド(約束の地)、バレット・ホール(銃弾で出来た穴)、コンクエスト(征服)、ヴィクトリー、フレンド、フレンドシップ、ブラザータウン、リトル・ホープ、アーケード・センター、バーゲン、Bogus Corner、バス(お風呂のバス)、ビッグ・インディアン、センターフィールド、チップモンク、フルーツランド、グリーン・ヘヴン、ハーフ・ムーン(半月)、ハーフ・ウエイ、ハッピーランド、パテント、インデックス、パラダイス、パラドックス、アーモンド、フラワーズ、タバスコ、バード。
他の国の名前が由来なのは、アラビア、アンゴラ、Belgium(ベルギー)、チャイナ、キューバ、デンマーク、エジプト、Greece(ギリシャ)、Holland(オランダ)、イタリー、ヨルダン、レバノン、メキシコ、パナマ、ペルー、ポーランド、Russia(ロシア)となります。

有名都市の名前と同じ地名はアテン(Athens,アテネとです)、バルセロナ、ダブリン、ベルファースト、ベルリン、ドレスデン、ハノーヴァー、ジェネヴァ(ジュネーブ)、バーン(Bern スイスのベルン)、Vienna(ウイーン)、コペンハーゲン、Paris(パリ),ダンケルク、リスボン、マドリッド、Rome(ローマ),フローレンス、Milan(ミラノ)、ネープルス(ナポリ)、サン・レモ、カイロ、ダマスカス、エルサレム、バグダッド、トリポリ、ボゴタ、ボンベイ、カルカッタ、ボストン、メンフイス、フェニックス、デンバー、チャールストン、ナッシュビル等。

その他の地域名としては、アルプス、アークティック(北極)、ドーバー、フロリダ(州)、カンサス(州)、Maine(メーン州)、メリー・ランド(州)、テキサス(州)、マルタ、ナイル、ソドム、バビロン、マケドニア、オリエント。
ニュー ヨーク州だけでこんなもんでしょうか。他の州迄足を伸ばせばきりがありません。パリとかローマー等あちこちにあります。日本関係の地名も昔はあったらしいのですが、第二次大戦中に改名されて無くなっているとか聞きました。明治、大正時代に日本人が住み始めたとされる州を調べてみました。関係はないと思いますが、アイオア州にはタマ、オナワ、オコボジ、ワイオミング州にはオサゲ、サウス・ダコタ州にはオニダ、ネブラスカ州にはオトエ、カンサス州にはオサゲがあります。

地図のついでにもう一つ。これは詳しい地図の場合に特に多いようですが、地図を100% 信用してはいけません。家には全米の道路図とニュー・ヨーク州、ウエストチェスター郡、ニュー・ヨーク市の全ての道路が載っている地図類が置いてあります。地図の間違いに気が付いたのは、ウエストチェスター郡の地図を買って直ぐ後の事です。
或る日、地図を頼りに出かけたのですが、地図では通過出来るのに、行き止まりになっている所がありました。
こんな間違は、と気にもかけていなかったのですが、その後、何回も似たような事が起きました。最初の頃は、知らない所で通行人に聞くにも見かけませんので、とにかく地図だけは新しいのをと、1年おき位に買っていましたが、直っていません。一時は投書でもしょうかと思っていた程。
或る日、新聞だかTVだかで、こんなニュースに出くわしました。最も有名な地図会社の人のコメントでしたが、地図を勝手にコピーして営業用に使用してしまうケースが多く、わざと各ページに間違いを印刷しておき、それがそのままコピーされていたら自社の地図からだと直ぐ判る、ですって。
違法のコピーを見つけた場合、大体は示談で済ませるそうですが、時には裁判所に持ち込むとか。そちらは、それで良いでしょうが、使用者にとって、こんな馬鹿げた話もありません。時には大変な迂回をしなければならない時もあるのです。

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