USRR_Photo_2012


2012年6月14日〜18日 ニューアーク(ニュー・ジャジー州)、ニュー・ヨーク

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 @ ニューアーク空港ターミナル群と近接の駅を結ぶエアー・トレイン A                 B                           C 旧ペンシルヴァニア鉄道の灯列式信号器    D ワシントンDC行のアセラ・エクスプレス No.2004

       
    E 郊外列車 プッシュ・プル運行         F ニュー・ヨーク行のプッシュ・プル列車 No.4663  G 後尾の制御客車 No.6082    H ニュー・ヨーク行のアセラ・エクスプレス No.2023    I 郊外電車

     
         J プッシュ・プルの制御車 No.5026      K No.9649                       L マンハッタンとを結ぶPATH車輌          M 旋回鉄道橋

       
       N                         O グランド・セントラル・ターミナル 42 St.口  P 1階プラットフォーム 32,33番 No.6201, No.?     Q 中央ホール          R

       
          S                            21 星座が描かれた天井            22 ヴァンダービルト・アヴェニュー側      23 パーク・アヴェニューから    24 パーク・アヴェニュー正面から

       
  25 パーク・アヴェニュー(上)と42ストリート(正面)     26 ハーレム、ハドソン河にかかるアムトラックの旋回橋   27 川崎重工 車輌部門工場    28 PATHの新製車輌 No.5828        29 タレイタウンの駅

     
    30 No.6207  プッシュ・プル制御車とメトロ・ノース No.224               31 No.216                                32 No.6306  プッシュ・プル制御車          33

       
  34 No.224                       35 No.9105                          36 アムトラック  No.708               37                        38

       
          39                         40               41 グランド・セントラル・ターミナルに向かうトンネル入り口    42 No.8465              43  No.9113

       
          44  No.9113 の車内と乗降口付近                   45 運転室内        46 2両目以降                 47 No.8465 前面と運転室         48 No.9020 と No.6316


@〜B エア・トレイン・ニューアーク(AirTrain Newark) ニューアーク・リバティ国際空港のターミナル群とニューアーク・リバティ空港駅を結ぶモノ・レール 1996年開業当初は空港内循環線のみだったが2000年に鉄道駅への延長が完成 全長4.8km

         システムの建設にはドイツの Von Roll AG が落札したが、工事中に ヴォン・ロールのモノ・レール部門が、同じドイツのアドトランツ (Adtranz)に売却された  アドトランツもボンバルディア社に買収されボンバルディアがニュー・ヨーク州ー
         ニュー・ジャシー州港湾局 (Port Authority of New York and New Jersey) との契約で運行を行っている  車輌はヴォン・ロール製で集電は第3軌条2本


    ここでこの系統の会社のごく簡単な変革を書きますと、

         スエーデンのアセア社(ASEA 1883年創立 重電会社だが、電気機関車も製造)と、日本のED41アプト式、ED11、ED53 各電気機関車の電気機器を製造したスイスのブラウン・ボヴェリ社

         (Brown Boveri 1891年創立 重電会社) が1970年に合併 アセア・ブラウン・ボヴェリ (ABB) 社となる 1996年にはABBの鉄道関連グループとダイムラー・ベンツ社の鉄道関連グループで、

         日本のEC40アプト式電気機関車の電気機器を製造したAEGが合併しABB・ダイムラー・ベンツ・トランスポーテーション社となる(略称アドトランツ)

         1998年にダイムラー社とアメリカの自動車メーカー、クライスラーが合併  ダイムラー・クライスラー社となるが、1999年にABBがアドトランツの株をダイムラー・クライスラーに売却、

         ダイムラー・クライスラー・レール・システムズとなるがボンバルディア社が買収  ボンバルディア・トランスポーテーションの一部となる

         (蛇足:ダイムラー・クライスラー社は2007年にクライスラー株を売却ダイムラー社となる)    面白いので、序に世界を牛耳っている鉄道車両製造会社の事を書きたいが、ページ長さの関係で最後のページに


D アセラ・エクスプレス No.2004 (第1編成)   H アセラ・エクスプレス No.2003 (第18編成)

       アムトラック アセラ・エクスプレス アメリカの高速鉄道版   動力車 + カフェ・カー + ファースト・クラス・カー(44席) + ビジネス・クラス・カー 4両 + 動力車の6両編成  列車座席数 304  振り子式車輌

       列車長 203m   動力車幅 3175mm   客車幅 3162 mm   最高速度約 265km/時   営業最高速度 240 km/時
       動力車1両につき、6000HP/4470KW   単相交流 2万5000V/60 Hz、1万2500V/60 Hz 又は 1万2000V/25 Hz  架線集電

       アセラの振り子機構は96q/時で強制制御が始まり、設計時の最大傾斜は6.8度だったが車体巾が拡大された為、建築限界をクリアする為に最大4.2度とされた

       ワシントン〜ニュー・ヨーク〜ボストン間(NEC ノース・イースト・コリドー)鉄道高速化開始については1969〜1972年のページを参照

       連邦政府は1991年にNECを含める全米の旅客列車を高速化する検討を始め、クリントン政権の下で1993年には全米3200qの高速鉄道網への投資が検討された
       1999年にはニュー・へイヴン〜ボストン間の単相交流 2万5000V/60Hz による電化と、プラットフォームの高床化、踏切の廃止等が完成

       アムトラックは車輌製造会社に協力を求め、1992〜1993年にはスエーデンのABBのX200がリースされ、1993年にはシーメンスの ICE 1 、1993年にスペインのタルゴが試験走行を行った

       1994年に最高速度240 km/時を含む性能条件を元に競札を行い、ボンバルディア 75%、アルストム 25%の共同出資によるコンソリティウムが落札、2000年の終りからアセラ・エクスプレスの運行が可能となった
                 (私の記憶では運行開始後暫くして、台車か車輪に傷/ヒビが入り、全ての運行が休止され、スエーデンASEA社からのライセンス生産による電気機関車でのアムフリート列車が代走した事がある)

       アメリカの鉄道車両の衝突時強度基準は、貨物列車重量、大型機関車や大型トラックの事もあり、世界でも厳しい   NECに関しては旅客専用線で踏切も無く、厳しくする必要は無かったのだが
       ACモーター、整流器、インヴァーター等の電気機器、回生ブレーキ関係、台車、衝突時のエネルギー吸収方式はアルストムのTGV技術で、傾斜装置付の車体はボンバルディアが担当
       (ボンバルディアは米国内に組立工場所有) アメリカの鉄道車両衝突時の強度基準に対応した為、TGV 車輌よりかなり重くなった

.          残る問題点: アセラの設計最大速度は約265km/時だが、連邦鉄道局は貨物又は通勤列車と共用線区では約240km/時 迄しか認めていない

             ワシントン〜ニューヨーク間は1933年に単相交流 1万1000V/25Hz、(1948年に1万2000V/25Hzに昇圧)で電化されており、貨物列車の分離は以前から行われていたが、電気設備や線形の問題で最高運転速度が
                217km/時にも拘らず、平均速度は129km/時   (現在ニュー・ジャシー州の直線区間で257km/時 の営業用走行テストを行っている)

             ニュー・へイ ヴン〜ボストン間は海岸線に沿っている区間が多い為、曲線も多く、ごく一部で 最高運転速度は 241km/時だが、殆どの区間で 177km/時

             ニュー・ヨーク〜ニュー・へイ ヴン間は1986年に単相交流 1万2500V/60Hzに変更された(以前は1万1000V/25Hz)、その後、ペン・ステーションの先からニュー・へイヴン迄 2万5000V/Hzに昇圧されたようだが、即ち
                3方式の交流電化区間があった

             ペン・ステーション〜ニュー・ロッシェル間は複線で一部貨物列車も使用    ニュー・ロッシェル〜ニュー・へイ ヴン間は二つ手前のミルフォード迄複々線、ミルフォード〜ニュー・へイヴンは3線 全区間で通勤列車と併用

             ニュー・ロッシェル前後のニュー・ヨーク州内では、39 の写真(これはマンハッタンに入った直後だが)でも判るが、隣通しの線路間距離が狭く(日本よりも)、最高速度145q/時に制限(鶴見事故のような事故が起これば大変)
                この区間では、アセラ車体と隣り合わせの車体間距離は、振り子制御使用では最短で25cmとなり、振り子制御の使用は許可されていない

             ニュー・ロッシェル〜ニュー・へイ ヴン間高速化の為の架線及び懸架方式の近代化、橋の近代化、曲線改良等の計画はあるが、実現されるかは不明


F ボンバルディア/アドトランツ ALP-46A ニュー・ジャーシー州交通局(NJDOT) No.4663

     ALP-46A  ニュー・ジャーシー州交通局(NJDOT)   2009〜2011年ドイツからの輸入36両  NJT No.4629〜4664    B-B       機関車重量約 93トン  軸重約 23トン  最高速度約 200km/時
         ボンヴァルディア MITRAC 3000駆動装置(MITRAC TC 3360) コンヴァーター 1台車につき IGBTインヴァーター 2基で  MITRAC DR 3000系モーター2基制御    出力 7500HP/5600KW (レール面)

     APL-46   NJT 2001〜2002年  ドイツからの輸入 NJT29両 No.4600〜4628       機関車重量約 90トン   軸重約 22.5トン 最高速度約 160km/時
         ALP-46Aと共通点 全長約 20 m     全巾約 2.95 m    単相交流 2万5000V/60 Hz、1万2000V/25 Hz 又は 1万2500V/60 Hz     客車用電源  3相交流480 V/60 Hz、 1000kW
        . ドイツの101形電気機関車をベースにしてドイツの工場で製造された    購入したのはニュー・ジャーシー州交通局のみ
.         ボンヴァルディア MITRAC 3000駆動装置(変圧器、1台車につき MITRAC TC 3100整流器1基で MITRAC DR 3000系 モーター2基制御)   出力 7108HP/5300KW (レール面)

G アルストム コメット V  プッシュ・プル運転用の制御車 No.6082    2006年 ステインレス・スティール車体    座席 109人

J ボンバルディア  コメット IV 制御車 No.5026  1996年〜1998年  NJDOT No.5009〜5029     全長約 25.5m   全巾約 3.15m   全高約 3.8m   座席 104   制御車自重約 48.6トン   制御車の運転席横のドアが無くなった
                  付随客車  座席 113          自重約 46.7トン(トイレ付 No. 5235〜5269)、  45.8トン(トイレ無 No.5535〜5574)

K アムトラック No.9649  バッド社製のメトロライナー(1971〜1972年ページ参照)電動制御車から駆動用機器を外し、制御車としてプッシュ・プル運用に使用
         これはニュー・ヨーク・ペン・ステーション〜ハリスバーグ(ペンシルヴァニア州)間、キーストーン・サービス(列車)での電機との運用に使用されているようだ   ディーゼル機と組んでいる制御車が圧倒的だが、制御方式に差がある筈

28 パス PA5  No.5828   川崎重工で2008〜2011年に340両製造された    営業運転は2009年7月から       A(運転室付) No.5600-5819    B(付随車) No.5100-5219   ステインレス鋼車体
                 交流モーター        全長約 15.5m  全巾約  2.8m     座席35      最高速度約 88 km/時ニュー・ヨーク市地下鉄R142Aの改良型

        川崎はこれ以前にもパス用車両を製造している  1987年製の PA4  No.800〜894 で、全て運転室付   ハドソン河の下を走るという事で、信頼性の高い川崎重工が選ばれたと思う
        パス(PATH)はポート・オーソリティ・トランス・ハドソンの略    ニュー・ヨークとニュー・ジャシーの両州が運営するハドソン河横断地下鉄

29 コネティカット交通局  ショアライナー No.6207  プッシュ・プル制御車と GE P32AC-DM  No.224

      ショアライナー   ショアライナーには製造時期によって、I から V 迄あるが、車輌ナンバーに関する資料が乏しく、写真に写っている一両毎の解説は難しい
          ショアライナー I    ボンバルディア 1983年に39両  両車端に片開きドア  偶数車にトイレ  NJT のコメット II が元になっており、ほぼ同じ  2008〜2009年にオヴァーホール
          ショアライナー II   ボンバルディア 1987年に36両  ほぼショアライナー I と同じ    2008〜2009年にオヴァーホール
          ショアライナー III  ボンバルディア 1991年に49両  車体中央に両開きドアを増設  偶数車には中央ドアの横にトイレ     NJDOT のコメット III が元になっており、ほぼ同じ
          ショアライナー IV  ボンバルディア 1996〜1997年に50両   1998年に10両   ショアライナー III とほぼ同じだが、NJDOT のコメット IV を元にしている 
            各形式共、運転席有と無がある  運転席と書いたのは乗降口ドアを開けた位置に折畳みのイスと運転装置が(ある)あったから  メトロ・ノースが青、コネティカット交通局所属は赤の帯.となっている  座席定員は102〜130

31  メトロ・ノース GE P32AC-DM No.216

32  メトロ・ノース ショアライナー No.6306  プッシュ・プル制御車

34 メトロ・ノース GE P32AC-DM No.224

35 コネティカット交通局 川崎 M8 No.9105    コネティカット交通局とメトロ・ノース所属
        川崎    M8   2010年〜            全長 25908mm   全巾 3200 mm   自重 A車 65.7トン、B車 65.2トン   最高速度約 160km/時    座席数 A車 110、B車 101
           直流 650V第3軌条集電、又は、単相交流 1万2500V/60Hz、2万5000V/60Hz 架線集電    M2、M4、M6 総数342両の代替車輌

               グランド・セントラル・ターミナルから125ストリートの先で分岐するハドソン線と、ペルハムで分岐するハーレム線(ニュー・ヨーク交通局/メトロ・ノース)は直流 650V第3軌条集電  ペルハム〜ニュー・へイヴンと一部の支線は
                単相交流 1万2500V/60Hz、ニュー・へイヴン〜ニュー・ロンドンは2万5000V/60Hz 架線集電(アムトラックがニュー・ヘイヴン〜ボストンを電化した際の電圧)
                80両のオプション付で300両発注され、最終的に380両 (A + B 編成 電動制御車) となった  その後、2011年に 25両の制御車が、オプション25両で追加発注された
                順次納入されているが、予定より遅れている  2012年10月迄で78編成納入

36 アムトラック  GE P32AC-DM No.708 

42、47 コネティカット交通局 No.8465  どう見てもM2のバー・カーとしか思えないのですが  もし M2 とすると  バッド社 M2  1972〜1977年に244両製造      162HP/121KW GE 1259 直流モーター4基使用

            バー・カーは20両製造されたが、メトロ・ノースの分は全座席車に改造された   乗降ドア間にバー・カウンターと、握り棒の周囲に丸いクッションが装備されている ドアからの両端は普通座席となっていたと記憶する
            通常はグランド・セントラル・ターミナル側に連結されるが、営業は平日のみ  ミニチュア瓶からウイスキーを注いでくれた   ビールや炭酸飲料、つまみ等も購入できた
            通常はニュー・へイヴン線運行の為、その他の列車ではプラットフォームに入った辺りで営業しているカートから購入>

43  コネティカット交通局 川崎 M8 No.9113

48 コネティカット交通局 モリソン・ヌッドセン製 M6  No.9020 と ショアライナー No.6316
          モリソン・ヌッドセン M6    1993年  No.6000〜   詳細不明  M2形の後、東急車輛がM4を54両製造、M6はその次の形式
              バッド社が倒産した際にニュー・ヨーク交通局がM2の製造ライセンスを譲り受け、M4、M6の基本的なデザインとした   アメリカ社の基本設計デザインによる最後の電車系列